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リフォーム会社の社長に聞く
 
前田(以下前) 中古の住まいを買ってリフォームしようという方に、まず何から手を付けたら良いとアドバイスされてますか? 資金でしょうか、物件でしょうか、それともリフォーム会社でしょうか?
青木(以下青) これまでは、「中古を買ってリフォームする」ということ自体が不思議なことでした。実際、今までになかったことです。中古を買った方は、我慢しながら住むというのが普通でした。ところが、世の中が変わってきて、リフォームが安価でできるようになってきました。その結果、ここも、ここもとリフォームの範囲が広くなり、最終的に全部の箇所をリフォームしたらどうかということになってきているのです。そうなったとき、住宅ローンは物件価格の100%まで融資が受けられます。しかし、リフォームまでは担保にならないので、融資の枠には入りません。つまり、最初から購入資金とリフォーム資金を一つにまとめてローンを組めば、頭金を抑えることになるのです。
温田(以下温) 私共の観点から申しますと、物件購入資金とリフォーム資金に加えて、生命保険のことも考えなければなりません。生命保険の見直しまで考慮して、資金計画を立てるケースもあります。住宅ローンの借り換えの需要がピークだった5〜6年前には、そういった相談が多くありました。しかし、7年前までと違って、現在は生命保険に多額の掛金を掛けられる方は減少しています。相談が多いのは、変動金利が3年がいいのか、5年がいいのかという次元です。
 その変動金利に関しては、どちらが有利なのでしょうか?
 今、いくら支払えるかではなく、トータルでいくら支払うのかを考えましょうとアドバイスしています。重要なのは元金をどう減らしていくかが問題です。例えば、3000万円を借りて30年間で支払うとすると、総額は倍の6000万円以上を支払うことになるわけで、それを3800万円あるいは4000万円に抑えるにはどんな資金計画を立てればいいかを考えることが大切なのです。むしろ、金利が少々変動しても驚かないですむようにしてほしいですね。
 一般的に資金計画を立てるとき、とりあえず、金融機関に相談して住宅ローンを決めることがほとんどと聞きますが、それでいいんでしょうか?
 目先の金利だけでは、実際のところ、分かりません。その中に、団体信用生命が組み込まれているのか、借り換えの際の手数料はどうなのかなど、内容をよく確認して決めることが大切です。
 関東では中古マンションを安く買って、自分たちの思い通りにリフォームするケースが増えています。
特に若い方はエントランスなどは気にせず、自分たち専用の空間を思い通りにしたいという考えがあるようです。中には、物件購入費用よりもリフォーム費用の方が多いというケースもみられます。若い世代では、生命保険の見直しまで考えないと住宅ローンを組むのが難しいですか?
 最近では、それはないですね。先ほども申しましたように、生命保険にさほどお金を掛けていらっしゃいませんから。それよりも、金融機関から3年固定金利を勧められたとき、定められた低金利のまま、将来にわたって支払っていけばいいと思い込んでいる方が多いようです。ところが実際には4年目から基準金利に戻るわけですから、そうなったとき支払えるかどうかを考慮して住宅ローンを組む必要があります。安い金利で借りていても、当分の間は利息分だけの支払いに過ぎずません。
 マンションの場合、耐震壁の関係でどうしてもコンクリート壁が抜けないという問題があります。したがって、そのままの間取りを生かした状態で、素材を優先してリニューアルするケースは増えていくと思います。購入時にリフォーム費用を値引きしてもらうという、仲介業者との折衝もみられます。
 今後、全面改修やデザイン的な面でのリフォームが増えそうですか?
 そうした希望はあると思います。しかし、それらにかかる費用が分からないんです。ものすごく高くつくという感覚でしかないと思います。
 よくあることですが、お客さまが雑誌を持ってお越しになり、「こんな風にしたいんです」と希望されます。そこに載っている高額な価格と比較する意味で、「こちらでは、いくらかかりますか?」と尋ねられます。確かに、掲載金額に近い額が見込まれ、物件購入額よりも高い金額になることもあります。その場合、価値観をどうとらえるかなんですが。
 立地が問題です。将来的に新築物件が望めない場所で、中古でしか手に入れることができない物件であれば、そこに住みたいと思えば、リフォームする価値はあると思います。中区には、そうした場所も多くあります。
 マンションを購入する年代層の傾向は?
 子育ての世代は郊外指向ですね。郊外の団地で暮らしてきた年輩のご夫婦は、 旧市内の中古マンションをリフォームして住むという傾向はあります。
 新築を買うのがいいのか、中古を買ってリフォームするのがいいのか、決める基準は何ですか?
 新築マンションが安くなったからといっても、中古よりは随分高いわけで、新築が安くなれば、中古はもっと下がっているので、購入しやすいのは中古です。最近では不動産に対する考え方が変わってきていて、生活の道具の一つといった考え方になってきているようです。つまり、住まいにすべてを注ぎ込むのではなく、このぐらいの額で買えるのなら買ってもいいが、趣味などを犠牲にしてまでも買いたいとは思わないというレベルなのです。そうすると、新築よりも中古物件ということになるわけです。新築を買って手放すと値が下がってしまうというのも分かってきました。それも中古に目がいく一つの理由です。
 若いご夫婦の場合、お子さんが小さいので中古をリフォームした方がいいという考えがあるようですが。
 それは頭金が大きく影響します。賃貸の住まいに住んでいる若い世代では、賃貸料の安い住まいで我慢するということが難しいようです。毎月の家賃が6万円、7万円というのも珍しくはありません。それだけの家賃を支払いながら、頭金を貯めるのは大変です。子どもが大きくなって、部屋が手狭になってくると新築物件を買おうということになるわけですが、後々の教育費などを考慮すると中古物件を購入する方が無難ということになるわけです。
 お客さまの新築マンションに招かれることがしばしばありますが、その際、お母さんが子どもに「落書きしちゃダメ、傷つけちゃダメ」と叱る場面を見ると、お子さんが窮屈な思いをするぐらいなら、中古の方がいいのではと思います。
 生活しているわけですから、傷は付きます。当たり前です。それを叱っちゃ、お子さんの心が傷付きます。せっかくいい住まいを手に入れても、わが子の心に傷が付いては何にもなりません
 新築マンションを購入される方は、マンション暮らし方が初めてというご家族が多くいらっしゃいます。したがって、生活音に対して住人同士が神経をとがらすことも多く、常にピリピリした環境を強いられることもあります。一方、10年、20年経っている中古マンションの場合、周りの住人は生活音に対してある程度慣れていることから、少々の音には寛容に対処してくれるようです
 ご主人がサラリーマンの場合、転勤で住まいを手放さなければならないこともあります。そんなとき、中古を買ったものなら、安く購入しているので安く売っても損はありません。新築を購入していた場合、安い価格では売れません。しかし、現実には安くしないと売れません。新築を買っ て5年後に売る場合と、中古を買って5年後に売る場合では、新築の方が価格差が大きくなるのが一般的です。将来にわたって、住み続けるなら、新築でもいいのですが。最初は絶対に売らないと思って購入するわけですが、現実には多くの物件が売りに出されているわけですから。あるマンションでは、5年後に2割の住戸が売りに出されました。10年、15年後には半数が売られるのではないでしょうか。
 新築物件と中古物件では、資金計画に違いがありますか?
 新築の場合はフルローンということにもなりますが、中古の場合は一部しかローンが組めないケースも出てくるので、できる限り自己資金を用意しておいた方がいいですね。中古を安く購入してリフォームする場合は、家賃分をローンの返済に充てるという考えも成り立つと思います。もし、家賃より低い額のローンが 組めるようなら、楽に返済 できるはずです。
 賃貸からマイホームに切り替えるのは、家族がいるからです。住宅ローンは生命保険が付いているので、ご主人に万一の事があったときに、返済に困ることもないですしね。
 住宅ローンを組むときは、ほとんどの方が生命保険に入られます。最近ではリストラになったときの保障とか、病気になったときの保障など、さまざまな保障が付いている保険もあるので、選択の幅も広くなっています。
 住宅ローンを組んだら、先々が大変と思われる方もいらっしゃいますが、例えば、ご主人が亡くなったときに家賃が支払えますか?支払えませんよね。だからこそ、買っておくんです。家賃を支払い続ける方がリスキーなんですね。
 リフォームの面から申しますと、戸建ての場合、どこまで改修すればいいのか分からないと相談される方が多いですね。予算を聞いても、分からないという方がほとんどです。
 見える箇所は改修されますが、屋根までは手が回らないというケースが多いですね。リフォーム業者を紹介してほしいとよく頼まれますが、総合的なリフォームを手掛けている業者が少ないんです。
 物件を見るといっても、断熱材や筋交いの状況、雨漏りの有無など、外から見ただけでは分からないものありますからね。そこで、私共では要望があれば、さまざまな方法で調べたりもします。多少費用はかかっても、安心して購入したいという方が、今後増えそうですね。クロスの張り替え程度ですむと思って中古を購入したら、住み始めてから、改修箇所が見つかって、改修費用が当初の10倍近くかかったという例もありますから
 売却の際、売り主が居住しながらというケースがほとんどですから、見る側も遠慮して、細かい箇所がチェックできないというのが実情です。現状では、土地と築年数、広さと場所、向きなどを考慮して、相場の売値であれば購入するというパターンですね。「いい物件の条件は?」とよく尋ねられますが、購入した方々がそこに住んで幸せになれるというのが、「いい物件」ではないでしょうか。他人の意見に左右されないで、自分たちがどう暮らしたいか、家族全員の要望を取り入れて決めることが大切です。中古物件では100%満足というものはあり得ません。70%満足であれば、残りの30%は我慢することです。町中で、日当たりがよくて、広くて、安い価格なんてありません。予算や家族構成によって、いい物件の条件はそれぞれ異なります。
 お客さまに対するヒアリングが重要なのは、リフォームも同様です。ご主人、奥さま、お子さんと意見や要望は皆まちまちですから。言い換えると、家族全員の考えに添った住環境で、要望に応じたリフォームができれば、その住まいはその家族にとって「いい物件」ということですね。中古物件のチェックポイントがあれば、教えてください。
 マンションの場合、エントランスを見てください。きれいになっていれば、管理が行き届いていると思われますし、住人もきれいに使っているということになります。修繕積立金および現在までの総額を知ることも重要です。修繕積立金の月額がある程度高い方がいいですね。それだけ、資産価値も高いといえます。ペットを飼いたい方は、必ず管理会社にいいかどうか、
確認しましょう。戸建ての場合は、建物の周囲を見て回って、基礎の部分にヒビがないかどうかをチェックしましょう。ヒビ割れがあると、地震の際に損壊する恐れがありますから。ヒビがあっても、修繕されていれば大丈夫です。家主がそれだけ注意を払っているということになります。
金融機関で融資を受ける際、物件購入資金とリフォーム資金を1つにまとめてローンを組めば、頭金を抑えることになる。
資金計画の中に団体信用生命が組み込まれているか、借り換えの際の手数料はどうなのかなど、住宅ローンの金利以外の内容もよく確認することが大切。
立地に関しては、将来的に新築物件が望めない場所もある。中古でしか手に入らない立地であればリフォームをしてそこに住む価値は十分ある。
新築では自身や周囲もマンション暮らしが初めての方も多く、生活音や建物の傷みにも敏感な傾向が。子どもの心が傷んでは元も子もない。
住み始めてから改修箇所が見つかって、改修費用に呆然としないように。多少費用はかかっても事前に専門家の診断があれば安心。
「いい物件」とは安い・きれいなどの見た目がお得なもの?家族全員の考えに添った住環境であればおのずと「いい物件」となる。
購入予定物件のエントランスは最初にチェックし、管理側や住人を知ろう。修繕積立金および現在までの総額を知ることも忘れずに。
 
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